【コラム】自宅でできる!対話型鑑賞


 美術の楽しみ方は、一人で静かに鑑賞するだけではありません。他の人と感想を言い合うこ とで、新たな見方が発見されることがあります。これを、対話型鑑賞と言います。 

対話型鑑賞は次の手順で行います。

 ① 作品を選ぶ(鑑賞者が親しみやすく、ある程度複雑でストーリーが読み取れるものがよ いです)

 ② 感想を言い合う前にじっくりと作品を見る 

③ 3 つの問いかけをしながら感想を言い合う 

「作品の中で、どんな出来事が起きているでしょうか?」 

「作品のどこからそう思いましたか?」

「もっと発見はありますか?」 

話し合いでは、発言者の意見をしっかり聞き、話している個所を指さしたり言葉をパラフレ ーズしたりして活発に応答するとよいでしょう。また、技法や作者の意図は気にせず、自由な感性で鑑賞するのが面白いです。 


今回の実習では、これまでになく多くの対話型鑑賞を行うことができました。7 分~13分 かけてじっくり意見を出し合うと、自分の思いもつかなかったものの見方を知ることができ、芸術の多義的な側面に改めて面白さを感じます。


 屋内で過ごすことがまだ多いこの頃、自宅でも、オンラインでも、友人や家族と対話型鑑賞を試してみませんか。


 H. T 


参考文献 

栗田秀法(2019). 『現代博物館学入門』. ミネルヴァ書房. 185-187

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