【コラム】

皆さんは、博物館に行った際、展示室が暗くて驚いた、という経験をしたことはないでしょうか。

例えば、この写真は大阪市の藤田美術館の展示室です。



非常に照明が暗いことがわかるかと思います。これはなぜでしょうか。

理由は大きく分けて二つあります。

一つは、展示品を保護するためです。

展示品は光に弱く、そのほとんどが光に当てることで劣化してしまいます。これは日光のような強い光に限らず、展示室の照明にも当てはまります。とはいえ、照明がなくては、私たちは展示品を鑑賞することはできません。そのため、できるだけ劣化を防ぎ、かつ適切に皆さんが展示品を鑑賞できるよう、照明が少し暗めに設定されているのです。

もう一つは、展示品を本来のコンテクスト(文脈)に近づけた状態で展示するためです。

神奈川県の岡田美術館で開催された「金屏風展」の写真を見てみましょう。



暗い展示室に屏風が飾られています。屏風は城や貴族の屋敷などで用いられていましたが、これらの場所は、当時ほとんど光の入ってこない空間でした。そのため照明を暗めにして、本来設置されていた場所で屏風がどのように見えていたのかという情報を提供しているのです。

このように、実際に展示品があった場所の明るさを再現することで、展示品本来の魅力を最大限伝えようとしているのです。(Y.Y)


画像引用

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/na/18/00010/072100102/

https://www.kanaloco.jp/news/culture/entry-191001.html

 



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